勤怠管理は管理部員にとってミスのできない重要な業務です。
万が一にもミスがあった場合、次のようなデメリットが発生する可能性があります。
- 本来払われるべき給与が払われない
- 長時間労働を起因とした離職者の増加
- 労働基準法等の法律違反
- 従業員とのトラブル
このような勤怠管理のミスによって生じる問題は、是が非でも防ぎたいですよね。
加えて、勤怠管理に関連した業務は、従業員のうっかりミスから、管理部員の負担やストレスが増加する場合が多いです。
そこで、勤怠管理のミスによるトラブルや、管理部員の負担を減らす為には、ヒューマンエラーが発生しない仕組みを整える必要があります。
本記事では、
あなたが効率的で正確な勤怠管理が行うために、知って置いたら得する情報をを惜しみなくご紹介していきます。
1.勤怠管理とは
過度な長時間労働で過労死の労働災害が発生した事例があったのは記憶に新しいと思います。
また、2019年4月1日から「働き方改革関連法」も順次施行されており、ますます、勤怠管理の重要性が増してきています。
企業としても、従業員の労働時間を適切に把握・管理をして、長時間労働の削減とワークライフバランスの向上に取り組んであげたいですね。
そこで、大切になってくるのは、従業員も管理部員も勤怠管理が楽に正確に行える仕組みです。
ここで、勤怠管理の重要ポイントを7つ、以下にまとめてみました。
- 働き方改革関連法、労働基準法、36協定への対応
- 長時間労働者の把握ができているか
- 有休を含む休暇の管理が行き届いているか
- 残業申請、有給申請等の書類運用は最適か
- リアルタイムに勤務状況を確認できるか
- 多様な働き方に対応可能か
- 勤怠情報を適切に給与に反映できているか
これらのポイントがクリアできるような、勤怠管理システムを導入できれば、業務効率化につながるとも言えるでしょう。
2.勤怠管理担当者を悩ませる、業務上の課題
先ほど、勤怠管理の重要ポイントを7つまとめましたが、それぞれのポイントに応じた実務上の課題や非効率さが存在しています。
どのような課題や非効率さが、勤怠管理システムの導入で解決できるか、これからお伝えします。
2-1.働き方改革関連法、労働基準法、36協定への対応
労働人口の減少、長時間労働による労災、メンタル不調による休職など、従来の働き方を変える必要がでてきています。
そこで、政府は、働き方改革関連法を成立させるなど、対策に乗り出しています。
2024年4月1日以降に建設事業、自動車運転の業務、医師について残業時間の上限適用が実施されるのも、その一環ですね。
とても良いことですが、実務対応する勤怠管理担当者は、法改正のたびに、管理内容が変わるため、非常に大変です。
2-2.長時間労働対象者の把握、管理
前項の項目とも関連してですが、従業員の長時間労働が、労働基準法違反、36協定違反にならないように勤怠管理担当者は管理しています。
衛生委員会等設置義務のある企業では、衛生委員会でも長時間労働の事例がある場合は、都度報告がされているでしょう。
長時間労働が続くと過労死やメンタル不調に繋がりかねないため、管理部としても監視を強化すべき事項です。
ただし、長時間労働の対象者、本人にとっては、やむなく残業が続いてしまっている状態で、自分が長時間労働の定義にに該当するか知らない場合があります。
そこで、労働時間を把握している勤怠管理担当者が、対象者に状況を都度報告するとなると、手間も時間もかかります。
さらに、勤怠管理担当者の伝え方によっては残業で追い詰められている対象者を、さらに追い詰める結果になってしまう可能性があります。
2-3.有休を含む休暇の管理
労働基準法が改正され、2019年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日取得させることが義務となりました。
そこで、勤怠管理担当者は基準日における有給付与以外に、全従業員の有給取得回数を管理しなければならなくなりました。
あわせて、休日出勤や振り替え休日が多い人がいれば、タイムカードや申請書のみの管理であれば、正確な勤務状況を把握するのが大変です
2-4.残業申請、有給申請等の書類運用は最適か
残業申請書、休暇申請書、休日出勤申請書などを紙ベースで運用している場合は、その管理が非常に大変です。
申請承認のフローが、何重にもなっている会社だと勤怠情報を締めたいけど、タイムカードに打刻が無い…申請書も届いていない…という状況が起こりえます。
労働者の給与に関わる事項のため、申請書が手元に来るのが遅かろうが、何が正しいか、必ず明確にしなければなりません。
毎月、申請書の関係で勤怠管理担当者の負担が増えるのは、非効率です。
2-5.リアルタイムに勤務状況を確認できるか
従業員に配布物をしたい場合、テレワークなど多様な働き方を実践したりしている場合等、リアルタイムに従業員の勤務状態を確認したい場合があります。
この場合、タイムカードで勤怠を管理している場合で考えると、わざわざ本人、もしくは担当部署に問い合わせをしなければならず、非効率です。
2-6.多様な働き方に対応可能か
勤務体制には大きく分けて4種類あり、その中でも雇用体系が大きく分けて6種類あります。
勤務体制の種類は、次の通り
- 固定時間制(通常の労働時間制)
- 変形労働時間制
- フレックスタイム制(フレックス制)
- 裁量労働制
雇用形態の種類は、次の通り
- 正社員
- フルタイムパートタイマー
- 短時間パートタイマー
- 派遣社員
- 契約社員
勤怠管理担当者は、これらの多様な要素が複雑に絡み合った、情報を取り扱うため、非常にミスが起きやすい状態といえます。
また、テレワーク・在宅ワークがかなり一般化してきましたが、この対象者の勤怠管理は、システム化をせずには、実現が困難です。
2-7.勤怠情報を正確に給与に反映できているか
ようやく各従業員の月の勤怠管理情報がまとまったと思えば、今度は、その情報を給与に反映させることになります。
勤怠管理のシステム化がなされていないと、勤怠情報を給与ソフトに転記したり、他のデータに転記したりする作業が必要です。
この転記を行う作業は、非常にミスが起こりやすいです。
3.勤怠管理システム化で克服すべき課題とメリット
これまで述べてきた通り、勤怠管理業務は非常に複雑かつ、ミスが起こりやすい業務です。
それにも関わらず、万が一にでもミスがあってはならない業務でもあります。
これらの、あってはならない勤怠管理上のヒューマンエラーは、勤怠管理システムの導入によって、なくすことが可能です。
ここでは、勤怠管理システムを導入する際に、必ずとぶつかる壁とその乗り越え方、そして、システム導入のメリットをお伝えします。
3-1.勤怠管理システム導入を阻む障壁
とても便利な勤怠管理システムですが、その導入の際には必ずぶつかる障壁があります。その内容は次の通りです。
- 導入前、社内からの反発が大きい
- 導入後、システム順応に時間がかかる
- システム導入と運用にコストがかかる。
この詳細は、これからお伝えしていきます。
3-1-1. 社内からの反発
業務効率化システムを導入するということは、これまでの働き方を変えるということです。
当然そこには、抵抗感をもつ人がいます。
このデメリットを取り除く為には、他の記事でも触れた通り、システムの導入前に根回しをしっかりしておくことが重要です。
導入を検討しているシステムの良さを、相手が納得してくれるまで、丁寧に説明を繰り返してください。
自分の力だけでは無理なら、システム会社が主催するセミナー等に参加を促すのが、とても有効です!
「これなら、やってみてもよいかも」と思ってくれるタイミングが、必ず来るので、粘り強くトライしましょう。
3-1-2. システムの順応に時間がかかる。
これまで、慣れ親しんできた仕事のやり方を変えることに抵抗がある方は多いはずです。
また、前例がなく、経験も浅い中で模索しながら、システムを運用していくことは、とても難しいです。
そのため、どんなに良いシステムを導入しても、全従業員のシステムの順応には時間がかかります。
この場合は、次の2点を実施する事で状況を改善できます。
- トップダウンでシステム利用を促進させる。
- 徹底的なマニュアル化
どういうことか、これから詳細をお伝えします。
1.についてですが
よっぽど意欲的に変化を求める社員が現場に多い場合でなければ、システムは利用すらされづらいということがあります。
そのため、システムの利用を現場に任せるのではなく、システムを使うことがスタンダードという状態を、会社のトップが宣言し、推進することが大事です。
トップが基準を引いた場合でも、最初はシステムを利用できる人は少ないかもしれません
しかし、システムを利用する人が多くなるにつれて、システムの存在感が増して、さらに利用者が増えるという循環が起きます。
そのため、まずはトップダウンで、システムを利用させることが大事です。
2.についてですが
何事も、柔軟に対応できる人と理解に時間がかかる人がいます。また、物事の捉え方も様々です。
そこで、「この場合は、こう対応する」というような、マニュアルがしっかり整備されていれば、誰でも安心してシステムが利用できるようになります。
また、マニュアルによって、システム利用手順が標準化されるので、誰がやっても同じような結果が出せるようになります。
そのため、システムの利用についての心理的障壁が減って、システムへの順応が早まります。
3-1-3システム導入と運用にコストがかかる。
システムの導入と運用には、コストがかかる場合が多いです。
無料で利用できるシステムも数多く存在していますが、その利用には、人数制限、データ保管期間制限、利用できるデータ量制限などの障壁があります。
法人がシステム導入を無料で実施したい場合、必ずどれかの機能制限で、有益に利用できないという状況になります。
そこで、有料のシステムが視野に入ってくると思いますが、コストについてはどうしても気になるところです。
しかし、システムにかかるコストは、次の要件を考慮に入れ、効果がでるようであれば、問題なくなります。
- 勤怠管理業務の工数がどれくらい削減されるか。
- リモートワーク加速化や人員不足にどの程度柔軟に対応できるか。
- 業務の属人化リスクがどの程度削減できるか。
企業にとって、費用対効果は前提として、最重要項目ですが、勤怠管理システム導入者の熱意も同様に大事であることは忘れないでくださいね。
これまでお伝えした通り、システム導入を検討する際は、乗り越えるべき課題があることも認識して計画を立てるようにしましょう。
3-2.勤怠管理システム導入のメリット
勤怠管理システム導入のメリットをまとめると、次のようになります。
具体的には、勤怠管理のシステム化によって、以下のようなことが可能になります。
- 労働時間や割増賃金の自動集計・自動計算
- 法改正への対応の自動化
- モバイル端末で外出先での打刻
- 給与ソフト等、他システムとの連携と自動化
- 休暇や残業等の申請承認フローの効率化
- 勤怠データを経営戦略に活用
- 業務の簡素化
全体的に人の手で行われていた業務が自動化できるので、勤怠管理担当者の仕事は一気に楽になります。
また、勤怠管理システムを導入すると、従業員の勤怠情報がデータ化されるので、従業員に対する負担の偏りもすぐに分析ができます。
そして、勤怠管理システムは、勤怠管理業務担当者にとっても、従業員にとっても操作が簡単です。
さらに、紙の申請書作成・管理やエクセルデータの集計など、複雑でミスが起こりやすい業務は、しなくてよくなります。
まさに、良いこと尽くしではないでしょうか。
メリットの多い勤怠管理システムですが、選択するシステムによって、できること、できないことが変わってきます。
そのため、
「あなたの会社にあったものはどれか。」
十分に見極めてから、勤怠管理システム導入に取り組むようにしてください。
まとめ
本記事では、勤怠管理の重要性を踏まえて、勤怠管理システムで、どのような業務効率化が可能かお伝えしてきました。
おすすめの勤怠管理システムについて、以下の記事でご紹介させていただきます。
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